仙台ぐらし2024-07-21

本屋さんで、伊坂さんのエッセイを見つけましたので読んでみました。

伊坂さんの日常の素の姿は?
どんな事書いてるんだろうか?
2011年以前の文章がほとんどですので、
現在からすれば、何処かボケています。
伊坂さんらしいおとぼけですが、
今となってはやっぱりどこかピンぼけ感がするんです。

他所もんにわかりやすく仙台のことを描いたろうとか、
ちょっとした洒落た小話で楽しませたろうか
とか、
などなど、
変な力みがなく好感が持てます。
でも何処か軽味に流れて、ピンぼけ感もします。

《ずうずうしい猫が多すぎる》
《消えるお店が多すぎる》
には、
わかるなぁ
へっ、へっ(笑い)
と、愉しませていただきました。

軽妙文章ですのでスラスラ読み終えました。
ちょっと意外感がのこりましたが、
でも、これが本来あるべき日常なのかなとも感じました。

箕面滝道スケッチに行ってきました。2024-07-07

箕面滝道でスケッチをしました。
箕面スケッチは初めてです。

灼熱サンデイの日でしたので、
滝道の日陰といってもやはり暑かったですね。

スケッチを少し早めに切り上げ
箕面駅まで下りてくるとかなり蒸し蒸し。

阪急で帰宅すると熱風が世界を支配していました。
大変な日のスケッチでした。

京都芸館に行ってきました2024-06-28


ギャラリーを幾つか覗きました。
同時代ギャラリー、ギャラリーヒルゲート、そして京都芸館へ。
芸館では「二科京滋支部展」を観ました。

久しぶりに公募展なるものを観たのですが。
異質なもののない穏やかな展示空間でした。

インバウンドでごちゃごちゃした繁華街の空気とは違う
(いつもはゆったりとした喫茶店が外国人で賑わっていた)
和んだ穏やかな空気です。
不思議な感覚でした。

藤森神社へいってきました2024-06-24

紫陽花の季節です。
藤森神社へ行って来ました。

二ヶ所の紫陽花ゾーンがありますが、
手前の庭園はそそそろ紫陽花の季節は終わり。
本殿後ろの庭園ゾーンはこれから咲き始め。
久しぶりにカタツムリを見つけました。
何年ぶりでしょうか?

大きな楠木に触れ、
自然の大きなエネルギーをいただきました。

鶴見緑地公園スケッチ2024-06-20

スケッチに行ってきました。
鶴見緑地公園へ。

ちょっと蒸し蒸しする6月の空。
活きよいよく伸びる樹々の緑。

今回は公園の整備用具を納める
「納屋」を描きました。

遠近感を意識しながら6月の雰囲気を描きます。
ハーネミュレセザンヌF8号サイズ。
3時間ほどじっくり描きました。

掲載写真は、ちょうど2時間ぐらい経過あたりでしょうか?

元彼の遺言状2023-08-08



★元彼の遺言状
新川帆立
宝島社文庫


第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
奇妙な遺言状をめぐる遺産相続ミステリー。
勢いのある筆力が心地よく、
一気読み。


遺産相続の話としてミステリーは展開するが、
実は男の哀しいかなプライドの話。
女からみれば不可解ではあるが可愛い男のプライド。
随所にその「不可解な可愛いプライド」が散りばめられ、
物語進行のキーワードになる。
女からみた男たちの一断面。
爽快でした。
次作も読んでみたい。


笑、笑、苦笑いの連続。


男の人ってなんでこう、自分の輝かしい過去のアレコレを切り取って話したがるのだろう。しかも自分からではなく、誰かに話してほしいと乞われたから仕方なくという体をとって。本当に面倒だ。

 

男の人ってどうして、自分の過去をアレコレを大袈裟に膨らませて、いかに自分が葛藤を抱えたのかとか、傷を負ったとか、そんな話を吹聴するのだろう。



笑、笑、苦笑い。



イルマーレ2023-08-05




映画を観た。


★イルマーレ
監督:イ・ヒョンスン
キャスト:イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、他
2000/韓国

2001年福岡アジア映画祭出品
イルマーレ、イタリア語で《海》。
スパゲティが出てきたので、地中海をイメージしたのかも。

過去と現在が郵便箱の中でシンクロしてしまった。
これも一種の《時かけ》もんかな?とおもいつつ。

普通に見れば、普通のラブロマンスであるが。
時間について考える。
《取り戻したい過去、しかし取り戻せない過去》
その葛藤の中に物語が生まれるようだ。

映画はかなり絵画的に構成されている。
ひとつ一つの場面が丁寧に慎重に構成され、
穏やかな感情の起伏を丁寧に追いかけていた。

韓国ではミレニアム作品として爆発的人気だったらしい。
2000年、もうずいぶんと昔のような気がする。




その街の今は2023-07-21

本を読んだ。


★その街の今は
著者:柴崎友香
出版社: 新潮社 

ダイナミックなストリーがあるでなく、
恋愛とか不倫とかの濃厚な物語があるでなく、
日常の淡々とした事柄をていねいに書き記しながら、
28歳の女性の揺れ動く心を細やかに描いている逸品です。
大阪の街の雰囲気もさりげなく表現されています。

かっての大阪の町が、大阪の若者が、いとおしくなりました。
今大阪は異常に賑わっています。

ペルセポリス2022-08-25




★ペルセポリス
原題:Persepolis
監督:マルジャン・サトラピ
2007/フランスアニメ映画

 

物語の台詞はユーモアとシリアスな言葉で満ち溢れ、
知的なセンスに脳が心地よく。
声の出演者たちの顔ぶれがまたすごい。
これは一体何が起こったんだと唸る。
マルジにキアラ・マストロヤンニ、
その母親にカトリーヌ・ドヌーブ。
実際の親子でアニメの声を担当。
むちゃくちゃ、息があっていた。





美しいモノクロデッサンである。
今まで知らなかった事が恥ずかしいくらいであり、
出会えたことがうれしくてたまらない。


影絵のようであり、
時に銅板画のようであり、
時には紙版画のようであり、
アニメの表情は限りなく豊か。
その自由さにあきれてしまった。



サンバ2022-08-07



★サンバ
監督:エリック・トレダノ 、オリヴィエ・ナカシュ
出演:オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、他
2014年/フランス

 

フランスの移民問題の実情の一部?がよくわかる。
パリのモザイク状態の文化、人種の一面がよく出ている。


映画タイトル「サンバ」は
アフリカ系移民の男の名前ですが、
ラストになって、
作品のテーマとも繋がり、
ある種の切ない哀しみの感情があふれ、
移民問題の複雑さについて考えさせられました。
ビザなし、金なし、住所なし、持っているのは「最強」の笑顔だけ。
オマール・シーは好演でした。

 

久しぶりにシャルロット・ゲンズブールを観ました。
他の作品でも観ているのでしょうが、
鮮明に記憶が残るのは「なまいきシャルロット」

今回の彼女の役どころは、バーンアウトした一流ビジネスマン。
休職中で、移民協力ボランティア。
サンバと出会ってから、しだいに回復し、そして再び強力に職場に復帰。
彼女も好演、魅力的でした。


普通なら出会うことがない
結びつくことがない
二人の出会いだからこそ物語が生きる。

 

なかなかシリアスで、
ラストはこの選択かーーーと、ほんのり切ない作品ではあるが、
生き抜くことへの意欲を感じさてくれて、
いい作品です。