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元彼の遺言状 ― 2023-08-08

★元彼の遺言状
新川帆立
宝島社文庫
第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
奇妙な遺言状をめぐる遺産相続ミステリー。
勢いのある筆力が心地よく、
一気読み。
遺産相続の話としてミステリーは展開するが、
実は男の哀しいかなプライドの話。
女からみれば不可解ではあるが可愛い男のプライド。
随所にその「不可解な可愛いプライド」が散りばめられ、
物語進行のキーワードになる。
女からみた男たちの一断面。
爽快でした。
次作も読んでみたい。
笑、笑、苦笑いの連続。
男の人ってなんでこう、自分の輝かしい過去のアレコレを切り取って話したがるのだろう。しかも自分からではなく、誰かに話してほしいと乞われたから仕方なくという体をとって。本当に面倒だ。
男の人ってどうして、自分の過去をアレコレを大袈裟に膨らませて、いかに自分が葛藤を抱えたのかとか、傷を負ったとか、そんな話を吹聴するのだろう。
笑、笑、苦笑い。
イルマーレ ― 2023-08-05
映画を観た。
★イルマーレ
監督:イ・ヒョンスン
キャスト:イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、他
2000/韓国
2001年福岡アジア映画祭出品
イルマーレ、イタリア語で《海》。
スパゲティが出てきたので、地中海をイメージしたのかも。
過去と現在が郵便箱の中でシンクロしてしまった。
これも一種の《時かけ》もんかな?とおもいつつ。
普通に見れば、普通のラブロマンスであるが。
時間について考える。
《取り戻したい過去、しかし取り戻せない過去》
その葛藤の中に物語が生まれるようだ。
映画はかなり絵画的に構成されている。
ひとつ一つの場面が丁寧に慎重に構成され、
穏やかな感情の起伏を丁寧に追いかけていた。
韓国ではミレニアム作品として爆発的人気だったらしい。
2000年、もうずいぶんと昔のような気がする。
その街の今は ― 2023-07-21

★その街の今は 著者:柴崎友香 出版社: 新潮社 ダイナミックなストリーがあるでなく、 恋愛とか不倫とかの濃厚な物語があるでなく、 日常の淡々とした事柄をていねいに書き記しながら、 28歳の女性の揺れ動く心を細やかに描いている逸品です。 大阪の街の雰囲気もさりげなく表現されています。 かっての大阪の町が、大阪の若者が、いとおしくなりました。 今大阪は異常に賑わっています。
ペルセポリス ― 2022-08-25

★ペルセポリス
原題:Persepolis
監督:マルジャン・サトラピ
2007/フランスアニメ映画
物語の台詞はユーモアとシリアスな言葉で満ち溢れ、
知的なセンスに脳が心地よく。
声の出演者たちの顔ぶれがまたすごい。
これは一体何が起こったんだと唸る。
マルジにキアラ・マストロヤンニ、
その母親にカトリーヌ・ドヌーブ。
実際の親子でアニメの声を担当。
むちゃくちゃ、息があっていた。
美しいモノクロデッサンである。
今まで知らなかった事が恥ずかしいくらいであり、
出会えたことがうれしくてたまらない。
影絵のようであり、
時に銅板画のようであり、
時には紙版画のようであり、
アニメの表情は限りなく豊か。
その自由さにあきれてしまった。
サンバ ― 2022-08-07

★サンバ
監督:エリック・トレダノ 、オリヴィエ・ナカシュ
出演:オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、他
2014年/フランス
フランスの移民問題の実情の一部?がよくわかる。
パリのモザイク状態の文化、人種の一面がよく出ている。
映画タイトル「サンバ」は
アフリカ系移民の男の名前ですが、
ラストになって、
作品のテーマとも繋がり、
ある種の切ない哀しみの感情があふれ、
移民問題の複雑さについて考えさせられました。
ビザなし、金なし、住所なし、持っているのは「最強」の笑顔だけ。
オマール・シーは好演でした。
久しぶりにシャルロット・ゲンズブールを観ました。
他の作品でも観ているのでしょうが、
鮮明に記憶が残るのは「なまいきシャルロット」
今回の彼女の役どころは、バーンアウトした一流ビジネスマン。
休職中で、移民協力ボランティア。
サンバと出会ってから、しだいに回復し、そして再び強力に職場に復帰。
彼女も好演、魅力的でした。
普通なら出会うことがない
結びつくことがない
二人の出会いだからこそ物語が生きる。
なかなかシリアスで、
ラストはこの選択かーーーと、ほんのり切ない作品ではあるが、
生き抜くことへの意欲を感じさてくれて、
いい作品です。
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